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LCCは本当に危険なのか? [事故]


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ジャーマンウィング社.jpg


三月二十四日、独LCCジャーマンウィング社
の航空機が、フランス南部のアルプス山麓に墜落。


ジャーマンウィング社2.png
墜落現場



乗客乗員合わせて全百五十名の命が失われた。
墜落の原因は、重度の精神疾患を患う

副操縦士による意図的な急降下。
「飛行機を破壊する意図があった」(仏検察当局)

と見られているが、このような操縦士になぜ
フライトがまかされていたのか。

「ジャーマンウィング社では精神面のチェックは
採用時のみで、採用後は通常の健康診断しかなかった。

副操縦士は通院していて、事故当日も
『就労不可』の診断書をもらっていたのに、会社には

報告していませんでした」(大手新聞社)

そこで改めて問題視されているのが、冒頭で杉江氏が
指摘したLCCの労働環境なのだ。

 近年、日本でも急拡大しているLCC。
「LCC元年」といわれた二〇一二年に三社が

相次ぎ就航を開始し、現在ピーチ・アビエーション、
ジェットスター・ジャパン、バニラ・エア

春秋航空日本の四社が営業している。
今年五月には、楽天、ノエビア、アルペンなど

他業種からの出資で話題を集める、新エアアジア・ジャパンが
就航する予定だ。

LCCと、90年代にできたスカイマークやエア・ドゥなどの
低運賃路線の航空会社との違いは、そのビジネスモデルにある。

 航空アナリストの杉浦一機氏が解説する。

「LCCのポイントは合理化です。よく知られているのは
機内食や荷物の預かりを有料オプションとしていることですが

他にも、航空機を一種類にして操縦士の訓練や
整備士のコストを下げたり、一日の便数を最大限まで

増やすなど、生産性を上げる工夫をしている。
『安かろう悪かろう』ではなく、従来の航空会社のムダを

省いて低価格を実現するビジネスモデルです。

 ただ、操縦士にも整備士にも余剰人員が少ないので、
想定外のトラブルに弱く、欠航や延滞が多く

なってしまうのです。空港到着後に欠航を知らされ
代替え便もないといった利用者のリスクはあるので

大事な商談の際などには避けたほうがいいでしょう」

 日本航空で長く機長を務めた前出の杉江氏は、LCC
の”ブラック企業化”を指摘する。

「LCCの操縦士の年収は、副操縦士で約六百万円からスタート
し、機長を含めても大手の約七~八割。

にも関わらず一日にこなすフライト回数は、大手の
一日二~三回に対し、四~五回になることもある。

離着陸の回数も増えますが、操縦士にとってはこれが
かなりの負担なのです。

 またフライト間に地上に滞留する便数時間も
大手の半分ほどの約二十五分がスタンダード。

しかも専門業者が清掃する大手と違い、LCCはCAが機内の
掃除を行うのですが、間に合わなければ外部点検を終えた

機長が手伝うこともある。乗客の乗降時間も考えると
休憩時間はほとんどないですから、疲労や

ストレスが溜まりやすいはずです。


(前半)---------------------------------------------------↑↑



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(後半)---------------------------------------------------↓↓



 こうした結果、LCCでは操縦士の定着率が低く、
異動や引き抜きが多いという問題もあります。

海外では、採用の翌日からフライトを担当させる
という話も聞く。

操縦士に十分な訓練をさせる時間を確保しにくいのです」


一方、世界的な操縦士不足という構造的問題もある。
杉江氏が続ける。

「操縦士の育成には時間がかかります。
ところが、それを越えるスピードで航空会社が

誕生しているのです。

 日本ではこれまで、JALやANAを定年退職した
操縦士が他社に再就職するという循環が

機能していました。
しかし彼らも年を取ってきた。国土交通省は

操縦士の定年を六十歳から六十二歳、六十四歳へと
引き上げてきましたが、さらに六十七歳まで引き上げる方針です。

でもこれ以上の引き上げは無理。

 今のところ、LCCは外国人を積極的に採用して対応しています」

LCC国内.jpg
LCC国内

 だが2012年の就航開始以来、LCCで最も、
深刻な安全トラブルは、外国人機長によって

引き起こされたものだ。昨年四月、
新石垣発那覇行きのピーチ・アビエーション機が

那覇空港に進入中に海面への異常接近を起こした。
警報装置が発動し、大惨事は免れたが、

管制官の指示が外国人機長にうまく伝わらなかったことが原因だった。

 国際線のチーフパーサーを務めたこともある
航空評論家の秀島一生氏は、規制緩和への不安を指摘する。

「LCCの参入にあわせるように、航空法の規制緩和が
進んでおり、以前は禁止されていた乗客の搭乗中の給油

が認められたり、飛行間の整備点検が不要になったりしています。
もともと日本の安全基準は非常に厳しい。

今は世界標準に近づけている段階なので引き続き
高いレベルですが、安全確保のハードルは

確実に下がっています」

 今回の事件で不安視されている操縦士のメンタルケアについては
日本は高レベルにあるという。

「日本では指定医による
『航空身体検査証明』の取得が義務付けられています。

有効期限は一年間。
六十歳以上の機長だと半年です。

この検査の中で医師による問診があり、
精神疾患があれば不適合になる。

一度発見されると完治するまで厳しく管理されます。
他に、各航空会社で行う健康検査もある。

そもそも長期にわたる採用試験の段階で
少しでもおかしい人は弾かれます」(航空会社関係者)

 最後に、LCC選びで危険を未然に防ぐ方法は
あるのだろうか。

「国土交通省のHPの『航空輸送の安全にかかわる情報』
欄には、操縦士の訓練不足や整備の手抜きなどについて

の行政指導や注意が一覧になっています。
これを参考にするとよいでしょう」(前出・杉江氏)



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