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国家資格の量産でシロアリ官僚が大増殖している!? [政治]

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待機児童解消も掛け声ばかり





ヒップホップダンス.jpg
ヒップホップダンスにまで国家資格適用



4月は資格学校のかき入れ時だ。
大手資格学校関係者は近年の傾向をこう語る。

「最近は不動産系の資格、特に宅建(宅地建物取引士)
の人気が高いです。2020年の東京オリンピックを

控え、大都市圏を中心に地下の値上がりが見込まれている
ことが背景にあります。宅地や建物の取引を行う

業者は事務所ごとに5人中1人は宅建の有資格者を
置く必要がある。売買や仲介を行う際、宅建所有者が

売主や買主に重要事項を説明しなければならないと
定められているからです」

宅建は毎年10月に試験が行われ、昨年の申込み者は
23万8000人にのぼった。

そうした人気の資格試験がシロアリ官僚の巣窟となっている。

総務相がまとめた国家資格についての調査報告書
によれば国家資格の数は313で、そのうち試験を行うものが

158。その他は講習や養成施設の卒業で資格を得られる。
「資格利権」の構図は似通っている。役所の外郭団体が

独占的に試験を実施して受験料を徴収し、
資格によっては取得後の講習も国から委託される。

その収益が団体に天下ったOB役員や現役出向職員
の食い扶持となっているのだ。

宅建で言えば試験を実施するのは一般財団法人・不動産
適正取引推進機構だ。受験者は機構に受験料7000円を支払うため

試験事業収益は16億4000万円(13年度)にのぼる。

常勤の理事長は元国交審議官が務める。
先代は元建設次官、先々代は元国交審議官と国交省

幹部再就職の指定席で、常勤役員の平均年収は
国の調査によれば1600万円以上2000万円未満、役員だけでなく

常勤職員28人のうち4人を国家公務員出身者が占める。

他の人気資格にも同様の構図がある。中小企業診断士
は「経営コンサルタントとしての資格で、

転職の際に条件が有利になるとして根強い人気がある」が、
試験実施団体の中小企業診断協会は唯一の常任理事が

経済産業省OBである。
ジャーナリスト・磯山友幸氏はこういう。

「日本では、資格を取ると仕事の口が保証されるという認識が
根付いている。本来なら資格はその業界への入口に過ぎず

その先で個々の能力が市場の中で評価されるものですが、
『お上のお墨付き貰えれば安心』と考える傾向が強い。

だからこそ役所としては利権にしやすいし、中には
実務に役立たない国家資格も出てきてしまう」

試験勉強が実務に役立たないのに大人気なのが「美容師」だ。

『日本人を縛り付ける役人の掟』(小社刊)の著書がある
原英史氏が解説する。

「資格の根拠となる美容師法が制定されたのは1957年のことです。
当時はまだ衛生環境が悪く、美容室から感染症が広まる恐れがあったため

公衆衛生の観点から試験で感染症や人体構造を問う必然性
がありました。衛生環境や顧客のニーズが大きく変わったのに

学科も実技も時代遅れのままです。
その結果新人にハサミを持たせることはせず、3年間は
アシスタントとして働かせるのが一般的になっている。

ならば何のための試験なのか。『美容をクールジャパンの柱に』
という掛け声も聞こえますが、資格試験のあり方を抜本的に

見直す必要があるでしょう」

かつて「カリスマ美容師」が美容師免許を持っていなかった
ことが大問題になったが、そうした事件も免許が実用性を

伴っていないことの皮肉な証明である。

試験を実施するのは理容師美容師試験研修センター。
理事長は厚生省出身で、常勤職員には3人の国家公務員出身者

がおり、昨年4月には神奈川県の保健福祉局生活衛生部長が
常勤顧問に就いている。

試験事業、免許登録事業などによって約10億円の収益がある。

同センターは「試験内容は衛生管理や実技の専門家によって
構成される試験委員が決めている。

委員は当センターが選任し、試験内容は委員の議論によって
決まっている」と答えるが、試験問題は養成施設で使われる

教科書の範囲から出題され、その教科書を作るのも日本理容美容
センターという別の天下り団体だ。

理美容業界は旧態依然とした規制が蔓延る世界で
「安倍首相が美容室でカットしているのは違法ではないか」と

ネット上で話題になったのもその典型例だ。
1978年の厚生省局長通知で「美容師が髪を切るのは女性客」

との法解釈が示され、それに基づいて保健所が指導に入る例も
あるという信じられないほど前時代的な制度運用なのである。

そうした姿勢が業界全体の未来を閉ざしている。




(前半)-------------------------------------------------------------↑↑






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(後半)--------------------------------------------------------------↓↓





安倍政権は待機児童解消を公約に掲げるが、その鍵を握る
「保育士」も資格利権の牙城だ。

保育士の国家資格を得る方法は2つあり、①都道府県単位で
実施される保育試験に合格する、

②養成施設(大学、短大、専門学校で国の指定を受けたもの)
を卒業するというもの。

13年度は試験合格者数8900人で、養成施設卒業者が約4万人となった。
試験を通じて資格を得る人が圧倒的に少ない。

ここに問題が潜んでいる。元経産省キャリアで慶應義塾大学大学院
メディアデザイン研究科教授の岸博幸氏が語る。

「保育士試験の問題を独占的に作成するのが全国保育士養成協議会
です。保養協の約500の会員はすべて保育士養成施設で、

役員の多くはそれら施設のトップです。養成施設の側としては
当然のことながら自分たちの学校に多くの保育士志望者が入学し

大学なら4年間、短大や専門学校なら2年間、高い授業料を
納めてくれることを望みます。

つまり、試験の合格者は減ったほうがいい、と考える利益相反の
構造があるのです。

保育士試験は合格率17%で難しい試験である一方、養成施設での
研修は楽だという評判があります」

運転免許の”一発試験”が極めて難しく、結果的に警察の天下り
が多い教習所が儲かっているのと同じ構図である。

当然ながら保養協の常勤職員18人のうち2人が国家公務員出身者だ。
「保育士試験が年1回しかないのは少ないと規制改革会議などで

指摘されてきたのに、厚労省は回数を増やすことに強く反対してきた。
今年に入ってようやく年2回実施を決めましたが国家戦略特区で

『地域限定保育士』の資格創設が決まったために、
自分たちの利権のパイを奪われないよう試験回数を増やすことに
したに過ぎない。

待機児童解消には保育士の待遇改善なども必要ですが、まずは
資格利権を解体しなければならない。

保育士の給料だけ上げて利権にメスを入れなければ、
業界と役所を肥え太らせるだけになってしまう。(岸氏)



安倍政権はむしろ、利権拡大に手を貸している。
建設業法で定める監理技術者という国家資格がある。

監理技術者は「資格者証」と「講習修了証」の2枚のカードを取得し、
所持することが義務付けられている。

資格者証は有効期限が5年間で、更新するには講習を受けなければならない。
しかも資格者証を得るには建設業技術者センターに

交付手数料7600円、講習修了証は全国建設研修センターに
受講料1万円を支払う。

実はこの資格者証は民主党政権下の10年5月の事業仕分けで
廃止が決まっていた。が、何故か廃止決定から4年以上が過ぎて

なお制度は存続している。
建設業技術者センターの回答。

「あの時は廃止という結論になったようですが、その後に具体的な
法改正あったわけでもありませんので今でも資格者証の交付は
行っています」

自民党政権になって廃止決定が反故にされたわけだ。
更新の際の講習を義務付ける国家資格は多く、

受講料や手数料も利権となる。
自動車運転免許の更新講習を委託される各都道府県の

交通安全協会が警察OBであることは広く知られている。

当然のことながら資格取得者が制度変更などを知ることは重要だ。
しかし、その場合に「5年に一度の講習」が有効とは言えない。

極端な話、講習の翌日に制度が変われば5年間その変更を知らないまま
過ごす事になる。

つまり講習よりも制度変更の周知に力を入れるべきだが、
それはうまみが少ないのだろう。

新しい資格も次々と作られていく。
近年では登録販売者、貸金業務取扱主任者、防災管理者、
土壌汚染調査技術管理者などが生まれた。

もともと民間資格だったものを社会的関心の高まりを利用して
国家資格にしていくこともある。

04年に民間資格として立ち上げられた知的財産管理技能検定は
08年に国家資格の「知的財産管理技能士」へと”昇格”した。

02年に知的財産基本法が制定されて企業の発明、意匠、著作物の
保護が注目されて生まれた資格で、実施団体の知的財産教育協会

の会長は元通産事務次官。


しっかり官僚利権に組み込まれている。

同様の”昇格候補”は数多くある。
12年4月から中学校でダンスが必須科目となり、

ヒップホップダンス2.jpg

「ヒップホップダンス基本技能士同士」なる民間資格が生まれた。
ダンス指導者の育成を目的とした試験で、厚生労働省認可の

財団法人である職業技能振興会が実施団体となっている。
現状では天下りはおらず補助金も受け取っていないが、同振興会は

本誌取材に「国家資格となればいいと思っている」と答えた。
そうなれば当然役所の影響力が強まってくるだろう。

09年に発足した消費者庁は「自前の資格利権が欲しい」とばかりに
来年度から消費生活相談員の国家資格試験化を進め

福島第一原発事故で除染がビジネスになるとみると自民党内では
除染業務や放射線量測定業務の国家資格を創設する法案が

検討された。

新しい役所ができたり、世間で問題となる事件が起きたりすると、
「新しい資格が必要」という議論を持ち出すシロアリ官僚の

手法がよくわかる。

資格取得で人生設計を真剣に考える国民を
食い物にすることは許されない。




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